農産物の契約栽培に向けた第一歩は!?-㈲松田農場のキンカンを事例に-
今、鹿児島のキンカン農家は、地域の特産品として全国出荷を目指して頑張っています。その中でも、味で規模と一歩抜きん出た㈲松田農場のキンカンの例をご紹介します。
㈲松田農場は鹿児島県の西北に位置する薩摩川内市の農業法人です。
このキンカンは、松田社長と栽培責任者の岩本氏こだわりの逸品で、大玉で糖度18度以上で酸味とバランスが良いものでなければ出荷しません。 (*)大玉程高級品とされています
そこで、噂のキンカンを試食してあまりの美味しさにビックリ!世には埋れた名人がいるものだと思いました…
ところで、キンカンのイメージと言えば甘露煮ですが、今では皮のままパクリと食べるんです。甘さと酸味のバランスが良く美味しい上に皮の栄養をそのまま食べるので、田舎では風邪防止としても好まれています。皮ごと食べられる柑橘類は他には無かったのでは?
ところが、この会社、美味しいものを作るのですが、これまで農協に頼った販売をしていたので売り方を知りませんでした。数々の商談会にも参加しているのですが、会場の盛り上がりを受注に結びつける事は少なかったようです。
ですがこのキンカン、実は都内の某高級デパートにて一箱数千円で販売されている本当に隠れた逸品なんです。ちなみに、今シーズンの収穫は3月上旬で収穫が終わります。ご希望の方は、㈲松田農場のHPから購入出来ます。
私は、このキンカンなら全国で勝負出来ると感じて、知り合いの仲卸を通じて大手スーパーPB商品に出来ないか打診をしました。実は仲卸から、ヘルシーと価格競争に巻き込まれない商品開発がテーマという情報を得ており、これこそピッタリと考えたのです。
問題は、どうやって試食してもらうかです
多くの生産者が商品PRの際に食べたら違いが分かると言いますが、実はこの「食べてもらう」までが大変なのです。ですから、仲卸やバイヤー自らの意思で口にして頂く必要があるのです。
そこで、『お歳暮」として『サンプル』を贈りました。仲卸はこの意味を察して社内で試食会を催し、その足で大手スーパーのバイヤーに持ち込んで試食をして頂きました。そこでも評価を得たことから本部扱いの商品として提案する運びとなりました。
『事前の情報収集』
『お歳暮という演出』
が契約栽培に向けた第一歩だったのです。
[ポイント]
◇バイヤーのテーマは何なのか?
◇どうやって試食してもらうか!
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