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ホーチミン視察及びビンディン市場食品展示会

Exhibition TitleBINH DIEN TET FESTIVAL 2016
Show DateFebruary 2-7, 2016
Implementers:Saigon Trading Group Satra
Coordinator秋丸剛志

【ホーチミンでの商談内容】

調査期間 : 2016年 1/30~2/3
商談先  : ジェトロ・国営企業・ベトナム最大手グループ

今回の視察内容を叙述する前に、2014年に東京農業大学卒業の農家メンバー(葉物・メロン・イチゴ・胡蝶蘭など)がホーチミンとダラット高原を視察した内容をまとめ、それらを鑑み、商談やフェアを通して今現在のベトナム事情を考察します。

【二年前位の調査結果】

▽ ホーチミン
・メロン、いちご、みかんは地元産もあるが糖度が低いゆえ日本人の味覚に合わない
・日本産が流通されてないので、周知活動して販売の基礎を作ればビジネスになる
・現地の日本食材専門の問屋と小ロットでも取引すれば可能性もある

▽ ダラット -日本式農業を世界に広げる戦略-
前提    : 食の問題(中国の農薬)で、安心安全な農産物の需要が高まっている
ターゲット : 新興国で増えている富裕層、在留邦人や外国人
人件費   : 日本の1/10 *手先が器用で勤勉だが、一方で単純な作業しか出来ない
土地代   : 日本の田舎とさほど変わらない
販売戦略  : トレードオフで考えた際、現地生産を選ぶべき

▽ 現地生産の利点
・レッドオーシャン市場(競争が激しい)では無ない
・国産の高級果物は買えない、葉物も日持ちするか問題
・メロン¥15,000(輸送費などで3倍)は購入できない
・検疫の問題でそもそも輸出できない
・品質管理という概念が無く、空港で何日も放置されるゆえ葉物は適さない

▽ 結論
上記のことを踏まえ、ベトナムを起点に陸続きのアジア圏に輸出するという結論に至りました。そこで、ホーチミンから北へ7時間、ベトナム中南部のダラット高原地帯を調査しました。ダラット高原は気候も温かくて、標高が高いゆえに昼夜の寒暖差があるため良質な農産物が栽培可能と云われております。しかし、固い赤土が問題ゆえ赤土の改良が重要課題と分かりました。そして日本に帰国後、共通の農家友人を通して、ダラット高原にてレタス栽培を成功させた日本有数のレタスの大産地である長野県川上村の農業法人代表に、その話を聞くことになりました。

【ジェトロ・ベトナム企業との商談を通して】

ジェトロの職員曰く、ホーチミンでは日本食レストランがこの二年間で200店舗から500店舗増加したとの事。日本食への関心の高まりは、その言葉に集約されていると思いました。またベトナム国内では、経済成長に伴って中間所得層が増えており、日本の「安心・安全」に熱い視線が注がれていると聞きます。実際、ホーチミンの街中では「有機栽培」と銘打った青果店が数多く見られました。しかし、残念ながら川上村方式で栽培するダラット産レタスは当初ファミリーマートに置いてあったのですが、取引先や流通の問題により一筋縄ではいってないようです。また独自情報では、ダラット産メロンも栽培は出来、大手スーパーマーケットやコンビニエンスストアに一度は流通させたものの、やはり継続的な取引まで至ってないようです。

そういった事を踏まえ、日本産リンゴの解禁は農林水産物の輸出拡大の一つの望みであり、今回の商談やフェアでは新たなビジネス展開に繋げる大事なものと捉えました。また個人的には、TTP加盟国であるベトナムがアルコール飲料の現地輸入規則を緩和した際に、日本酒や本格焼酎など國酒を輸出できるかどうかも調査したいと思っておりました。

参照:アルコール飲料の現地輸入規則および留意点:ベトナム向け輸出
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-030103.html

結論から言うと、商談先バイヤーの日本産に対する関心度は高いと思いました。香港や台湾のように、一般生活者まで青森のフジりんごが浸透していませんが、それを店頭にて販売PRすれば勝機はある。また現状、アルコール飲料も関税や贅沢税などで価格が4,5倍近くになるが、日本食レストランが増えるとともに和食文化も浸透しつつあるので、日本酒も時期が来れば勝機があると。ただ、りんご解禁をうけ、商談先のプレミアムマーケットや高級フルーツ点に日本産のりんごが置いてあるものだと信じておりましたが、視察調査ではどこにもそれが置いてありませんでした。現地イオンや他スーパーマーケットでも、それを販売PRしていると思うのですが、その点だけが懸念点でしたのでフェアにてバイヤーや一般生活者の生の声を聞いてみたいと思いました。

【SATRA主催の食品見本市を通して】

開催期間 : 2016年 2/2~2/7
開催場所 : ホーチミン・ビンディン市場

フェアが開催された、ここホーチミン・ビンディン市場は、Saigon Trading GroupであるSATRAが運営しており、場所が7区ゆえホーチミン市街(1区)から車1時間弱の距離がありました。前回とは違い、試食資材に限りがありますので会全体の意向としては、現地バイヤーとの商談を優先させ、一般向けの無料頒布を時間帯で区切ることになっておりました。

・リンゴの人気はあった
・生魚を食べる習慣が無いので生活者の反応は悪かったがバイヤーの関心は高い
・大吟醸はフルーティー&フレバーゆえ日本同様女性が支持
・フラワー各種は日本よりも花に関心があるせいか質問が多かった

リンゴは特にちびっ子たちに人気でした。ただ、まだベトナムにおける富士りんごの認知度が低いせいか、台湾フェアのように人が群がるという光景を見ることが出来ませんでした。鮮魚に関しては、生魚を食べる習慣が無いことから一般生活者の食いつきが悪かったです。一方、バイヤー特に日本食レストランを経営する方々には好感触。ただロットの問題で、その場で契約成立はありませんでした。大吟醸は女性ウケが良かったのですが、男性の反応は良くなかった。「これは薄いな」「この酒はベトナムでは流行らない」との声が多数でした。フルーティー、フレバー系の酒はやはり女性がターゲットのようです。

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