味だけでなく生産体制や品質管理を確実に!? -松田農場を事例に-
前回は、松田農場のキンカンをバイヤーに試食頂き好評を得たところで終わっていました。その後の話ですが、仲卸が大手スーパーのバイヤーを説得することに成功し、いよいよプライベートブランドに向けた動きが出てきました。まずは仲卸による農場の視察(2013年1月)です。
ここでのポイントは
①収穫数量、収穫時期
②農場のセールスポイント
③品質管理の方法
④キンカンを栽培した経緯や地域の取り組み
⑤グローバルGAPに対応出来るか?
①は当たり前ですから問題なく。
②は極力農薬や化学肥料を抑えている。そしてステビア農法。
③について、特に質問が集中したのはバラツキをどの様になくしていくか。
これまでは自社の独自基準でした。例えば糖度の計測です。一日数回サンプリング検査をして、糖度18度以上のものを出荷していました。そこでばらつきを最小にするために、農場内の標準木の決定やマニュアルを策定してロットごとに糖度検査回数を増やすなど対策を講じることになりました。具体的な内容については後ほど、JGAPで詳しく説明します。
④につきましては地域の食の歴史とも言えます。
これについては、古くからあるキンカンの産地活性化で地域興しをしようと考えており、由来や食文化の説明はスムーズでした。実はこの後、地域の取り組みがバイヤー訪問の際に思わぬ効果を生むことになります。
⑤は事前にグローバルGAPが必要と言う情報を得ていたことから、内容がほぼ同等であるJGAPの認証を進め、足りない部分を後ほど導入する方向で進めました。
もともと味はいいのですから、後は仲卸やバイヤーが安心して販売できる体制を構築していくかが課題で、これをJGAPを導入すると約束してクリアしました。次回は、いよいよ大手スーパーのバイヤーが直接農場視察に来ます。
[ポイント]
仲卸やバイヤーに扱ってもらうには、味だけでなく生産体制や品質管理を確実にし、今後数年間は継続的な生産が可能であることを理解してもらうことです。今回はその裏付けとしてJGAPが有効でした。
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