農産物の契約はバイヤーの立場になって考えること!?
前回は、仲卸の視察によって高い評価を得てスーパー本社のバイヤーに、松田農場のキンカンを推薦して頂く事が決まりました。今回は、その後の話になります。まず、私はバイヤーの訪問を前に必ず以下の話をします。
地方予選は突破しましたが、全国大会に通用するか見てもらいましょう
これは、生産者の想いが独りよがりにならないように、マーケットの評価を素直に受け入れて欲しいと願って話をしています。昨年春、仲卸がバイヤーを伴って松田農場に来ました。目的は、産地を直接訪問してバイヤーの目でPBが可能か見極めるものでした。ですがこの時期は、キンカンは次作に向けた剪定が終わったばかりで畑は特に見るものはありません。
替わって農場の管理の徹底、選果場の清掃、農薬保管庫の整理と台帳の完備を実施しました。案の定、視察の際は農場を一回りして管理状態を観察したのち、選果場を視察してキンカンの規格や選果方法の確認し、最後に薬品庫の管理状態と台帳の突き合わせを行いました。もちろん全く問題なく終了。
視察のポイント
① キンカン栽培の基礎知識の説明
② こだわり
③ 品質管理の方法(糖度検査や選果体制はどのようにしているか)
④ グローバルGAPに対応出来るか
◇ 対応
・①〜④は第2回目の通り問題なし
更に、より契約を確実にする為に、同じキンカンでも他の産地、他の生産者ではなく『なぜ、松田農場のキンカンなのか』を理解して頂くように第2回目でお話しした地域の取組みと食文化について情報の提供と演出を行いました。 (*)仲買から、このスーパーは事業を通じた社会貢献を重視しているという情報を得ていました
・情報
薩摩川内市商工会はキンカンを地域の特産品として広めようと、認知度や指向性についてアンケート調査を実施したレポートがありました。そこで、レポートを使ってその中心企業が松田農場であることを強調しました。
・演出
商工会と役場職員も招いて、市や商工会をあげてキンカンの産地化に取り組んでいる姿勢をアピールしました。これは効果あり、レポートを読み込んだ後、資料の依頼を受けています。上記2点により松田農場のキンカンを扱って頂く事で、地域の活性化に貢献する可能性が高いと伝えたのです。
後日、仲卸を通じて決定した旨連絡がありました。
◇この時点で決定したこと
① 松田農場のキンカンをPB商品として扱う
② 初取引なので、まずは一般商品として扱い来季に九州全域で本格勝負をする
◇今後の課題
① 全国でどの程度通用する商材か分からないので、販売数量をどの程度にセットするか
② 商品規格
③ 販売単価
[ポイント]
バイヤーの立場になって考える事です
①大手小売店は良い物を売るのは当たり前です。その商品を扱うことで地域にどう貢献できるか説明します。
②バイヤーも良い商品は扱いたいと思っていますので、バイヤーが会社を説得出来る材料を準備すると良いでしょう。次回4回目はJGAP認証取得についてお話ししたいと思います。
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